2024/03/28

【導入事例インタビュー】廃乾電池のリサイクル工場において、選別AI及びロボットを導入!

現場の声代表者

吉本 修平氏
サーマル・ケミカル事業本部 第二ケミカル工場
乾電池・バッテリー・廃飲料処理工場 技術スタッフ、本件開発担当者
石山 達也氏
技術本部 技術部
特命案件 技術スタッフ、本件開発担当者

Q1. 導入前の課題を教えてください。

当社では、廃乾電池に加え、容器包装プラスチック、廃ペットボトルなども破砕処理の前工程として手作業での選別(以下、手選別)を行っております。どの工場においても、手選別は属人的作業であり、選別される方によって選別精度も効率も大きく変わります。

特に今回選別AIを導入した廃乾電池選別工場では、リチウムイオン電池による発火事故や、破砕機に金属が嚙みこみ操業停止になることへの対策が喫緊の課題となっていました。

Q2. なぜソリューションを導入することになったのか理由を教えてください。

廃乾電池選別は画像認識に適している環境であると素人ながらに考えたためです。

廃乾電池処理は、コンベア上で電池同士が重ならない環境であり、手選別作業員も色や形状、マークなどで電池を見分けていますので、AIでの識別が可能ではないかと期待しておりました。

これまで属人的であった手選別作業を、AIという新技術によって、負荷軽減できればというのがそもそもの狙いでした。

Q3. AnyTechを選んだ理由を教えてください。

AnyTech社には、ヒアリングに多くの時間を割いていただき、何度も工場に足を運んでいただいたことで実施イメージが共有できたことが決め手となります。

他社様では、最終成果物のイメージも固まらないまま、見積書を頂くことも多いですが、開発担当者としては、自身と発注先との成果物に関する認識のズレが最も怖いところです。

企画段階で入念に擦り合わせ、計画書の形でフィードバックいただけたことで双方の望むプロセス及び目標を明文化することができました。

Q4. どのように課題を解決していったのか教えてください。

スモールでの実証を繰り返しご提案いただいたことで、1つずつ課題を解決していきました。

まず、数百本の廃乾電池を学習させたAIモデルの作成を納得の費用感でご提案いただき、AIの識別結果に妥当性・再現性があるかを検証しました。

初めての検証はまずまずでしたが、AnyTech社のAIには、廃乾電池を見分けるポテンシャルがあることを数値で確認することができました。

その後、次のステップとして、数千本、数万本と学習データを増やしながら、AIの精度を高めつつ、インターフェースについても我々のユーザー側の意見を大いに反映していただきました。

又、弊社としても、AIが実力を発揮できる環境を整えるため、照明の整備や対象物の分散などに取り組みました。その点に関しても、AnyTech社にアドバイス等を頂いて調整を行っております。

Q5. 具体的な選別AIの活用方法を教えてください。

選別AIの活用方法として、画像、動画、プロジェクションマッピング及びロボットと、識別率の向上に合わせてアウトプット方法も徐々に規模を拡大して参りました。

開発当初は選別AIがどこまで作りこめるか、AnyTech社も当社も見当がつきませんでしたので、AIの識別率によって、最終アウトプットを決定しようと考えておりました。

プロジェクトが順調に進み、最終的にロボットまで製作することができたことに感慨深いものがあります。

乾電池選別AI推論画面

Q6. 最後に、今後の展望についてお聞かせください。

社内的に、手選別を行っている工場は多々ありますので、容器包装プラスチックや缶・ビン・ペットボトルなど適用できる範囲を増やしていければと考えております。

本事例のポイント

  • 課題の解決策として可能性が見出せる「AI」を選択したこと
  • 自社では知見のない「AI」を共に実現するパートナーを探したこと
  • 「AI」を最大限効率よく活用する環境も整えたこと

最後に

吉本様、石山様、お忙しいところインタビューにご協力いただき、ありがとうございました。

J&T環境株式会社様における業務中の事故や操業停止のリスクをゼロに近づけることができ、課題解決の一助となれまして大変嬉しく思います。

今後もユーザー様と二人三脚での課題解決に努めてまいります。

AnyTech株式会社

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